Hello!#08
Neighbors
唯一無二に輝く、
秘められたストーリーを探して
絶景プロデューサー
詩歩Shiho
「旅するアガット」をサブテーマに、
様々な土地や文化を感じるジュエリーがラインナップする2024年シーズン。
日本・世界各地の絶景を知り尽くした
詩歩さんとのクロストークで、
ジュエリーと絶景の意外な関係性の中にある
共通項が見つかりました。
互いに惹かれ合う魅力を、2人が掘り下げます。
季節によって彩りを増す、絶景をめがけて
アガット商品企画 大森庸恵(以下大森) 2024年は「旅するアガット」をサブテーマに、コレクションを展開していきます。そこで、私たちがぜひお話を伺ってみたいと思ったのが「旅」をテーマに活動されている詩歩さん。対談のロケーションとしてご提案いただいた小室山リッジウォーク"MISORA"も、とてもフォトジェニックで素敵な場所ですね。富士山と朝日をキラキラ反射する海に囲まれて、悩みやストレスなんかも吹き飛ばされそう! 天気も良くて、最高に気持ちがいいです!
詩歩 実は私もここに来るのは初めてなんです。何回かトライしたのですが、なかなか天気に恵まれず。海に向かって突き出た展望デッキが印象的ですよね。絶景を望むテラスって山間部やマウンテンリゾートが多く、海に面したテラスって多くはないんです。富士山の雪化粧は春頃が1番綺麗なんですよ。
大森 詩歩さんの写真を通して、四季を楽しんでいます。これからの季節だと、富士山以外でおすすめの場所ってありますか?
詩歩 2月下旬〜3月頭くらいまでだと伊豆の河津桜なんていかがですか? 河津桜の濃いピンクと黄色の菜の花、葉の緑と空の青コントラストが見どころで、写真もとてもハッピー感満載になります。伊豆の色々なところに一足早い春が散らばっているので、町巡りも楽しいです。もしくは、東北の雪景色。東北に雪が一番多いのが2月なので、秋田の横手などで開催されるかまくら祭りもおすすめです。約3,500基のミニかまくらに光が灯されて、すごく幻想的なんです。
大森 詩歩さんは「絶景プロデューサー」として旅を仕事にされていますが、これまでにどんな経緯があったんですか?
詩歩 『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』のきっかけは、新卒で入社した広告代理店の新人研修の課題でした。1人1つFacebookページを立ち上げて1ヶ月間の「いいね!」数を競うというもの。そこで私がテーマに選んだのが"絶景"です。当時はまだキュレーション系のアカウントが多くなかったのもあって、たくさんの人に見てもらえました。せっかく人気も出てきたので、研修が終わって以降もアカウントを続けていたらご縁があって書籍化できることに。ただ会社員時代は激務でなかなか旅行には行けず、実際に旅に出るようになったのは会社を辞めてからです。それまでは写真家さんからお借りして画像を掲載していたのですが、やっぱり実際にその場に行った人の言葉と写真の方が強いですよね。そこから実際に絶景旅を始め、美しい景色を発信するようになりました。
大森 行き先はどうやって決めるんですか?
詩歩 常に行きたい場所はたくさんあるので、その中で優先順位が高いところや、行く季節や誰と行くかで決めます。ひとり旅も多いですよ。旅をすればするほど行きたい場所が増えていきます。今まで訪れた国が63カ国。まだまだ1/3も訪れてない国があるので、人生が足りるかちょっと心配です(笑)。
魅力的な写真のポイントは、
絶景に”合わせる”こと
大森 一度みたら忘れられない色彩豊かな絶景写真がとても魅力的です。詩歩さん流の写真・動画の撮影ポイントを教えてください。
詩歩 私の場合は人に紹介するという前提があるので、規模感が伝わるように心がけています。絶景の写真を友達に見せても、その大きさや感動がイマイチ伝わらないことってありますよね。人や車が写真に入ることで、絶景の素晴らしさをより共有できるんじゃないかと思います。
大森 たしかに詩歩さんの写真からはダイナミックさが伝わってきます。
詩歩 それから、カメラの技術よりも絶景がいい条件の時に行くのを大事にしています。たとえば、イルミネーションを撮る時って晴れよりも実は雨の日の方がもっとおすすめだったりします。地面が濡れていると、下が反射して一層キラキラしてより綺麗な写真になるんです。それから朝日や夕日を撮る時はピーカンよりも雲が少しある方が良いし、雲海なら雨の翌日を狙ったり。行く前に必ず天候をチェックします。今年の2月は青森の八甲田山の樹氷を見に山へ登ったのですが、2時間ぐらい待っても一向に視界が開けず、遭難するかと思いました(笑)。絶景を綺麗に撮るには、待つことも大切なんです。
大森 なるほど。絶景には根性も必要なんですね。頑張ったからこそ見れた絶景は、きっと感動も倍増しますね。
ローカルな情報にこそ旅をより楽しむためのヒントが見つかる
大森 旅先への必需品やこだわりの過ごし方もぜひお聞きしたいです。
詩歩 旅先ではできるだけデジタルから離れてアナログでいるよう心がけています。時間を確認するにも、スマホやスマートウォッチだと通知まで一緒に気になってしまうので、必ず腕時計で。荷物は出来るだけコンパクトにしたいのですが…、それでも必ず1冊は紙の本を持っていきます。
大森 絶景待ちの時間も有意義に過ごせそうですね。
詩歩 それから国内旅行の時は、ご当地ラジオを聞くようにしています。「今日駅前でこんなイベントやってます」など、ラジオは大事な情報源の一つ。ネットとはできるだけ繋がらず、そこでしかできない事をするようにしています。
大森 ネットだとたどり着かない情報ってありますよね。ローカルに耳を傾けたからこそ気づく発見があったり。そういう偶然の出会いは大切にしたいです。旅のスタイルにはこだわりはありますか? 「詩歩さんと言えば!」のニット帽、いくつくらいお持ちですか?
詩歩 40個くらいあります。ブランドは特にこだわっておらず、自分に合うサイズがあれば旅先で購入することも。ヘアセットが得意じゃないので、髪を隠すためにかぶり始めたらいつの間にかトレードマークになっていました。自分が映り込んだ写真を撮ることが多いので、旅スタイルでは風景を邪魔せず、でもなじみすぎずというのを意識して、旅先の景色や季節に合わせて服や帽子の色を決めるようにしています。
有機的なシェルが奏でる、
絶景ラグーンのグラデーション
大森 今日着用いただいたジュエリーは、「詩歩さんの絶景」の写真からイメージを膨らませて選びました。身に着けてみていかがでしたか?
詩歩 失くすのが心配で普段はリングをあまり着けないので、今日はとても新鮮でした。ちょっとした手もとの写真を撮るときにもリングがあると可愛いくなるし、見ているだけでもやっぱりテンションが上がりますね。特に人差し指のリングは、このグラデーションがまさにブラジルのレンソイスで見たラグーンの色。普段は細かくなった石英の砂丘なのですが、雨季になると地下水の水位を増して、大小たくさんのラグーンが地平線いっぱいに広がる期間限定の絶景なんです。
大森 このリングには夜光貝の母貝を使っています。人工的にはなかなかこの色は作り出せないし、自然が作り上げた色なので1つとして同じものがないんですよ。上下には黒蝶貝という淡水パールの母貝を使っていて、光の加減によってグレーがかったり紫に見えたり表情が変わるんです。
詩歩 思わず見入ってしまいます。絶景も同じで、水位や太陽の加減で少しずつ表情が変わっていくので、時間を忘れて眺めてしまうんです。
ジュエリーも絶景も、裏側に”ストーリー”があるからこそ一層惹きつけられる
大森 絶景を知り尽くした詩歩さんに、改めてその定義をお聞きしてみたいです。
詩歩 私が絶景と呼ぶ場所にはその魅力を感じるポイントが2つあって、ひとつが目で見て美しいこと。もうひとつがその裏側にストーリーがあるかどうか。「なぜ」や「どうやって」を語れる物語があるかを大事にしています。自然や文化、歴史が背景にある場所って簡単に再現できるものではないし、その場所に行くからこそ見れるもの。実はもともと歴史、特に古代史が好きで、大学3年の時に1人で日本中の古墳と遺跡をめぐる旅をしました。19歳の時に行った初めての海外もイタリアの古代遺跡を巡る旅だったんです。
大森 「裏側のストーリー」というのは、私たちのジュエリーにも通じる点です。アガットのコレクションは毎回テーマが多岐にわたっていて、過去には考古学や古代文明を軸にしたこともあったんですよ。考古学の時は脈々と受け継がれてきた文化をジュエリーに反映したくて、ローマ帝国時代のガラスを使ったりヒエログリフでデザインを彫ったり。バイオロジーをテーマにしたシーズンでは、地球や命に対するリスペクトをデザインに込めました。シェルや天然石のように地球が育んできた素材を使うことや人類の歴史の中で作り上げられてきたものに敬意を払うことで、ジュエリーに宝飾以上の価値をもたらせると信じています。
詩歩 ジュエリーも見た目が美しいのはもちろん大事ですが、その裏に惹かれるストーリーがあるっていいですよね。ずっと大切にしたくなる、というか。
大森 その意味で、アガットは「語れるジュエリー」だと誇りを持って言えます。詩歩さんも絶景を通して物語を伝えらっしゃるからこそ、私たちがこんなに惹きつけられるんだなって、今日お話をさせていただいて実感しました。
旅の思い出をともに重ねていく、
お守りジュエリー
大森 旅先でもジュエリーは身に着けますか?
詩歩 帽子やリュックでどうしてもカジュアルになってしまう分、何かしらジュエリーを身に着けて大人な雰囲気を出すようにしています。とは言え旅先でうっかり失くしてしまうと2度と見つからないので、よく着けているのは着けたり外したりをほとんどしないイヤカフやネックレス。今日着けさせていただいたイヤカフは、リバーシブルで違うデザインを楽しめるのがいいですね。あれもこれも持っていけない旅先でも、しっかりおしゃれを楽しめる。旅にもぴったりだと思います。実は今日、もう何年も愛用しているアガットのネックレスを着けてきました! 先日の南米旅行の時もずっと一緒だったもので、母がプレゼントしてくれたものなんです。
大森 そうなんですか? 大切にしてくださって嬉しいです。アガットのロングセラーアイテムで、ダイヤモンドの繊細な輝きで綺麗目にも使えますし、プレート感があるのでTシャツなどのちょっとラフなスタイルとも合わせやすいアイテムですよね。
詩歩 シンプルすぎず、主張しすぎず、の絶妙なデザインがすごく気に入っています。スタイルを選ばず使えるので、旅先で本当に重宝しています。
大森 それにダイヤモンドは強力な魔除けのパワーがあるといわれているので旅のお守りにも適しているんです。そのものの力を高めてくれるので、きっと詩歩さんの力も高めてくれていますよ。お母さまから贈りものなので、そのパワーも一層強いと思います。
新たな絶景を見つけて、
地域を盛り上げたい
大森 「絶景プロデューサー」としてお仕事内容も多岐にわたると思います。どういった点にやりがいや続ける原動力を感じてらっしゃいますか?
詩歩 私の写真や動画を見て「次の旅先を決めました」とか「見て行ってきました、楽しかったです」と言ってもらえるのは嬉しいです。最近は日本の自治体から依頼をいただいて、まだ有名じゃない絶景を発掘する仕事もしています。そのひとつが、愛媛県のモンチッチ海岸。遠浅の海岸で、潮が満ちた時と引いた時にウユニ塩湖みたいに、海面に空や自分が綺麗に反射した写真が撮れるんです。
大森 それはぜひ行ってみたいです!
詩歩 道後温泉からすぐ近くの海水浴場で松山市内の人たちがよく訪れるそうなんですが、こんな写真が撮れることは知らない。「地元にこんなところがあったなんて知らなかった。ありがとう」って声をかけてもらえるのが、とてもやりがいになっています。日本は海も山もあって四季もあって気温差もあるので、まだ知られていない宝物がきっとたくさんあるはず。こういう景色って人を引きつけるし地域を盛り上げてくれると思うので、絶景発掘を通して地元のいいところを再発見するきっかけになれたらいいなと思います。
大森 国内や海外で経験したたくさんの情報が蓄積されている詩歩さんだからこそできることですね。秘められた価値に目を向ける、というのは、アガットも大切にしていることの一つです。たとえば、正円ではないパール。ジュエリーでは本来あまり好まれないのですが、けれど私たちはそれぞれの個性を大切にしたい。あまり使われないような素材をあえて使ったり、日本で大切に守られてきた伝統技法を取り入れることで、本質的な美しさが際立つジュエリーもたくさんあるんですよ。
世界に広がる美しさを求めて、旅は続く
大森 今後、行ってみたい・見てみたい絶景を教えてください。
詩歩 ウズベキスタンのサマルカンド。"青の都"と呼ばれていてタイル装飾の建造物がすごく可愛いんです。イスラム圏と広く言っても、国によってそれぞれ異なる装飾なのでそれを見たいのと、あとご飯も日本人の口に合うんですよ。
大森 偶然にも次のコレクションではモスクのモザイクタイルにもフィーチャーする予定なんです!
詩歩 旅情を掻き立てられるコレクションを楽しみにしてます!
【アガット大森着用】「シルバーエメラルドピアス」¥26,400、「シルバーピアスチャーム」¥22,000、「K5/シルバーダイヤモンドイヤーカフ」¥44,000、「ゴールドマルチストーンネックレス」¥93,500、ネックレスに付けた「K10シェルチャーム」¥77,000
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