カメオについて
身にまとうアート
時を超えて受け継がれる技
カメオとはさまざまな模様をレリーフ(浮き彫り)で表現した彫刻技法のこと。使用する素材によって名前が異なり、貝殻ならシェルカメオ、オニキスやメノウなどの石ならストーンカメオ、珊瑚ならコーラルカメオと呼ばれています。その歴史は古く、約6000年前に誕生したのち古代ローマ時代に発展。これまでに女性の横顔や動植物、神話、有名な絵画など多彩なモチーフが登場し、その美しさと高い芸術性で多くの人々に愛され続けています。
クラフトマンシップが宿る
伝統的なテクニック
かの有名なナポレオンやヴィクトリア女王にも愛されたカメオは、機械化が進む現代においても昔と変わらず職人の手仕事でつくられています。貝や石をカットし、デザインに合わせて形状を整え、そのピースに下絵を直接手描きして彫るという作業は一見簡単そうに見えて、実はとても高度なテクニック。髪の毛ほどの細い線を手で彫り、微小な高低差をつけて立体感や色の違いを表現するためには、寸分の狂いもない緻密なコントロールと高い集中力が求められます。私たちを魅了してやまないカメオならではの繊細なニュアンスや美しさの裏には、職人たちのたゆまぬ研鑽があるのです。
作り手の個性がもたらす
カメオの多彩な表情
カメオが小さな芸術品と呼ばれる理由は、直径わずか数センチの貝や石の上に職人ひとりひとりの世界が表現されているからです。たとえ同じモチーフを題材にしても、作り手が違えばまったく同じものはできません。もちろん、職人の熟練度の違いもありますが、単にそれだけではなく、その人がこれまで生きてきたなかで培われた物事の見方や美意識が表現に大きく反映されるからだといえるでしょう。彼らが思い描くイメージの差は、個性となって仕上がりにあらわれます。機械を使って精密につくる均一な美しさとはまた違う、手仕事だからこそ伝わる温度感や唯一無二の美しさは他にはない魅力のひとつです。
手仕事だからこそ、同じモチーフでも
それぞれの表情が異なる。
アガットが
カメオを作り続ける理由
アガットではカメオのジュエリーを数多く展開してきました。ともすれば、重厚なアンティークという印象を持たれがちなカメオも、今の気分やコレクションテーマに沿ったオリジナルデザインで表現することで、洋服と同じようにファッションとしてデイリーに楽しめることをお伝えしていきたいからです。
デザインソースとなるものは多種多様。クラシカルなものからマニッシュなもの、さらにはカメオではあまり表現されてこなかったであろう恐竜や古代文明のモチーフまで幅広くセレクトしています。また、ゴールドやシルバーなどの地金と掛け合わせることで多彩なテイストを表現し、より自由に、自分らしく楽しんでいただけるデザインに仕上げています。
国や時代を超えて、今とつなぐ。
アガットのカメオには、大切に受け継がれてきたものへのリスペクトを忘れないモノづくりの精神が宿っています。